Thursday, July 19, 2007

TOO TOUGH TO DIE

 今週火曜日映画の試写に行ってきた。
 9月に公開されるラモーンズの映画『Too Tough To Die

 知ってる人は知っている、ラモーンズの'84年の8枚目のアルバムのタイトルだ。
 と言いつつもサブタイトルに、「A TRIBUTE TO JOHNNY RAMONE」とも入っている。


 内容的には、'04年の9月に行われたラモーンズの活動30周年のアニバーサリー・パーティーの模様と、関係者のインタビュー。
 オレの意見は二匹目のどじょう系だなと。「こんなの撮影してやがったのか!あざといな」死人に口無し系ビジネスの骨頂。

 いつも言ってしまうのは、「生きてる時に応援しろよ」。スゴい事やってたわけでしょ?本人が現役でがんばってる時に無視すんなよ。ラモーンズ自体のビジネスは、死ぬまでライブやらなかったら、飯食えなかったワケだし。(ちょい大げさか)どっちにしても、セレブでもミリオネアでもなかったんだから。どーもオレには歯がゆい。


 もちろん期待感を持って見に行ったわけではなく、研究家(おおげさか?)として行ったのです。映画としてはイマイチ。ライブの映画なのか、ドキュメントなのかハッキリして欲しかった。「いつかライブを完パケしたDVDが出るんじゃねーか?」と思わず勘ぐってしまう。
 これをやるんだったら、'96年のラスト・ライブでやるべきだ。マーティン・スコセッシが監督した、The Bandの『ラスト・ワルツ』の様に。そしたらいくらでも長尺の映画でOKだ。(短いのよ。1時間半ないよ)


 と言いつつも、ステージ上でロブ・ゾンビがジョニー・ラモーンに電話するシーンには泣けた。会場全体で携帯電話に向かって「Hey Ho Let's Go!」のかけ声。思わず叫びたくなった。(この3日後にジョニーは病魔に負けて他界した)それと葬儀でのCJの姿が痛ましかった。

 レッチリのライブも良かった。ラモーンズの曲を演奏して楽しんでいる学生バンドの様。演奏はウマいけど。コイツらはバンドで出演して、全曲ラモーンズのカバー。コイツらのアティチュードがうれしい。
 この辺が共感できたシーンだ。

 ハッキリ言って内容は悪く無い。けど、映画としてとか、ラモーンズを伝えるという意味では不完全だ。
 だから公開前に、3年前の映画『エンド・オブ・センチュリー』は必ず見た方がいい。DVDも出ている。むしろこの映画とMIXして編集し直しば?とも思う。それともう一本『ウィー・アー・アウター・ヒア』ラスト・ライブのビデオも見れば完璧だ。(『ウィー・アー・アウター・ヒア』早くDVDにしろよ。つーか今までの全部)



 そーゆーワケで、(どーゆーワケ?)これまた9月にリリースされるラモーンズの紙ジャケシリーズの、補足ライナーの執筆中です。詳しい事は英文ライナーの翻訳があるので、ちょっぴりマニアックな事とかも書いている。最初の8枚全部ワタシなのでちょっと大変です。〆切が明日の午前中なので。
 &ミュージックマガジンでも映画評の原稿の依頼を受けています。こっちはまだ時間があるので、配給会社から借りたDVDをじっくり見直そうと思う。

 何にしても、世間がラモーンズに触れる機会やきっかけが増えるのは大変いい事だ。
 良くわかんないって人は今からベスト盤『ラモーンズ・マニア』を買いなさい。