Tuesday, August 30, 2011

甲子園が割れた日

 今年の夏はTwitterで高校野球の実況まがいのことやってました。
 意外とワタシ高校野球好きなんですよ。学生が一生懸命やってるスポーツで、プロじゃないので試合の終盤になっても物凄い逆転とかが面白いんですよ。正々堂々とやってるカンジが。

 で、たまたま見つけたこの本『甲子園が割れた日ー松井秀喜5連続敬遠の真実』
 スッゲー面白かった。

 当時、怪物言われていた松井といえど、高校野球で5連続敬遠で一度もバットを振らせてもらえなかった試合。これほとんど事件とか社会現象レベルでした。動画見てもらえれば分かると思いますが、関係ない自分が見ても悔しく感じ、5万5千人の観客のヤジ、怒号。
 これを見てフェアじゃないと思う人が大半だったんです。しかしこれって明徳はルールに反してないんですよね。
 
 この試合の10年後(正確には違うんだけど)に関係者に取材して単行本化されたこれ読んだらハッキリ言ってどっちが正しいのか、簡単に答えが出せないんですよ。
 そもそも学校の種類も違うし、監督の考え方も経歴も違う。
 明徳義塾なんて、なんもない田舎に学校作って全寮制で自由なんてなく、ただひたすら試合に勝つことだけを目標にしている高校。監督もノンプロ、社会人野球とかの監督を務めていた人で、勝たなかったら意味が無いという人。
 星稜はそこまででの学校ではないにしろ石川県の強豪校で、選手のインタビューで自由もあるしそれなりの高校生活もあったと語っている。星稜の監督は、星稜一筋、高校野球一筋の人で、野球を教育の一環と考えている人。

 この時点でも学校によって高校野球の捉え方が違うのです。
 高校野球経験の無い我々が知っている高校野球は、勝手に思っているスポ根だとかさわやかな感動とか表面上のことだけなんですよね。
 そういうイメージがあったから、試合に勝つための明徳義塾の作戦は世論を敵にしてしまったんです。
 この瞬間に我々が持っていたイメージが崩壊し、高校生を甲子園で罵り、学校や宿舎に電話や手紙の類いで脅迫されたりで、警察が警備にあたってたんだって。
 てか、さわやかなモンを期待して裏切られたから脅すって、どういうこっちゃ。

 しかし、当事者は意外とドライなんすよ、両校とも。
 そんでいつものごとくマスコミが煽りまくって(高校生は叩けない暗黙のルール)高校生を誘導尋問のごとく欲しい言葉吐かせる、生徒の人生変わっちゃう的な。

 野球を見るのと高校野球を見るのは違うということです。
 高校生はプロではないけど、プロ並みの希望を持って見られているのです。

 なんかオレらって常にマスコミとか国に騙されてる感あるじゃん、この件に関してだけは真実を見ましたね。